見積もり精度は余裕量

業務、特にプロジェクトでは見積もりがプロジェクトの成否を左右します。理由はプロジェクトは予算と期限があり、予算内かつ期限内に終わるのがプロジェクトの目標ですから、もともと不適切な予算設定と期限設定ではうまく行きません。そこで、予算と期限に関する見積もりが求められます。見積もり法も一般的な手法は積み上げ法です。積み上げ法では各担当者からの見積もりを積み上げます。しかし、図1の(A)に示す様に各要員のが提出した見積もりには余裕が含まれます。そこで、図1の(B)に示す様に余裕を集めて余裕と正味コストを切り分けて、費用をコントロールしようとする手法がTOC*です。ところで、必要なのは見積もり精度の向上です。そこで大事なのが人の感覚です。人の感覚は図3に示す様にべき関数となります。図1の例では人の音に対する感覚を数字で表現したもので、人の感覚が線形に上昇するのは70%程度までで、70%以上は収束してしまいます。そこで、人の感覚を先ほど費用積み上げに反映すると費用の30%は不確かとなります。そこで、少し乱暴ですが、積み上げた費用の70%を実行予算とすることが良くあります。また、マネジメントとは経営リソースを駆使して、いかに早く、いかに効率的に目標に到達するかであり、経営リソースにはここで示したお金(予算)、に加えて、人とものがあり、更に信用、取引関係、情報源、販売チャネル、ブランド等があります。そこで、優秀なマネージャーは使えるリソースの多い人間となります。

*TOC(Theory of Constraints)ゴールドラット博士が唱えたマネジメント手法のこと

図1 見積もりの組み立て

図2人の感覚はべき関数に従う

図3見積もりの30%は不確か 

見積に実コストとコンテンジェンシー予備を設定する時に、一律に30%程度のコストカットを行うことが良くあります。その根拠は、人のコスト感覚は上位20%から30%は不確かな数字であり、70%以上のコストに関する感覚値は飽和して、不正確であるためです。人の行動様式として与えられた予算と時間は使い切ることがあります。例えば、手持ち作業は予算が続く限り増えるとされています。そこで積み上げられた見積もりから適切な予算を取り出すのもプロジェクトマネージャーの手腕の1つです。